2025/01/30 23:15

お客様の声から生まれた『逆転の発想』の新商品


まさに、自分の頭の中には全くなかった発想でした。自分はい草の香りがこの商品の“売り”だとも思っていましたし、畳の特徴であると。

ご指摘いただくと腹落ちする部分も。昭和の雑踏が飛び交う茶の間では、畳のい草の香りは心地よく、和室の象徴だったかもしれません。しかし、現代では茶の間はリビングへと変革し、もっと繊細な空間になっているのかもしれません。自分の好きで埋められたインテリア空間はアロマの香りがするかもしれませんし、はたまた、何も香らない空間を好むかもしれません。たとえ五感に響く懐かしい香りであっても、空間を邪魔しかねないのです。

素麺に「ひねもの」があるように


そこで、いとこで畳職人に相談に行きました。
客様からの声を説明し、「高級感をそのままに、い草の香りを抑えられないか」と相談しました。当然いとこもびっくりした表情を浮かべます。しばらく考えた後、いとこから提案がありました。「丸駿さんに卸す卓上畳のうち、一部を販売しないで寝かしておくのはどうかな?」と。いとこの話では、い草の香りはだいたい1年くらいで抜けていくそうです。なるほど。素麺にも1年もの商品と「ひねもの」という蔵で保管して熟成させた商品があります。当店でも「1年寝かす」ことで進化?(香りが抜けるから進化では無い?)した、卓上畳を誕生させることにします。

こうして、お届けしたい気持ちを抑えて1年置いた《卓上畳》を今、お客様へ。